受診前

医療機関の種類

  • プライマリーケア医(PCP):

    総合的な健康管理と予防医療の最初の窓口です。米国医療の要であり、定期健診、病気への対応、慢性疾患の管理を担当します。さらに、専門医の紹介、予防医療の実施、ほとんどの健康問題における最初の相談役を務めます。

  • 救急クリニック:

    命に関わるほどではないが、早急な処置が必要な病気やけが(軽い感染症、ねんざなど)に対応する施設です。

  • 救急救命室(ER):

    胸の痛み、脳卒中、重傷など、深刻で生命の危険がある状態では救急病院での受診が必要です。救急病院は治療費が高額になりやすく、待ち時間も長引く傾向があります。

健康保険の基礎知識

  • 基本構造:月々の保険料を支払うことで、医療費の一部が保険でカバーされます。

  • 費用:保険が全額適用される前に、免責金額(デダクタブル)、自己負担額(コペイ)、定率自己負担(コインシュアランス)などの費用が発生します。

  • ネットワーク内医療機関:保険契約のネットワーク内の医療機関を選ぶと費用を抑えられます。

  • 保険プランの種類:PPO、HMO、EPO、POSなどがあり、医療機関の選択の自由度や紹介状の要否が異なります。

  • オバマケアACA( Affordable Care Act)プラン:ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナの階級に分かれており、補償範囲と費用が反映されています。

  • 加入時期:年次オープン登録期間中に登録するか、人結婚や出産などのライフイベントによる「特別加入資格」を得る必要があります。

受診の準備

  • 予約の際の確認事項:初回予約の電話際には、以下の点を確認することをお勧めします。

    • 新規患者を受け付けているか。

    • 最初に予約可能な日時。

    • こちらの保険が使えるか。

    • 保険のネットワークに加盟しているか(医療機関は予告なく受け入れ保険を変更するため、都度確認が望ましい)。

    • 予約キャンセル時のポリシー。

    • 24時間前以内のキャンセルに罰則はあるか。

  • 相談内容の整理:症状と事前に質問をメモにまとめ、優先順位をつけましょう。

  • 持参するもの:服用中の薬・サプリメントとその用量のリスト、保険証、他の主治医の名前(該当する場合)、関連する診療記録。自分の氏名、住所、電話番号、緊急連絡先などの連絡先情報も準備しておきましょう。

  • 正確な情報伝達:正確な診断のために、症状や生活習慣の詳細を正直に伝えましょう。

  • 不明点の解消:理解できないことがあれば説明を求め、診断や治療方針の理解を確認しましょう。

  • 支援を活かす:信頼できる家族や友人に同行してもらい、内容の記憶や意思の伝達を助けてもらいましょう。言語に障壁がある場合は、通訳やコミュニケーションを支援できる人と一緒に受診してください。

これは米国の医療制度を効果的に活用するための出発点となる情報です。実際の経験は個々の状況によって異なります。しかし、最善の医療を確保するためには、自身の健康に対して主体的に関わり、医療提供者との明確なコミュニケーションを図ることが重要です。